国本はる乃 浪曲「高橋お伝」

2021年6月1日 浅草・木馬亭 定席 曲師は沢村豊子 

「高橋お伝」は明治9年に起きた女性による殺人事件が元ネタ。明治12年- 東京裁判所で死刑判決、市ヶ谷監獄で斬首刑に…仮名垣魯文の「高橋阿伝夜刃譚」のモデルとなり、明治の毒婦と呼ばれた。文壇や芝居の格好のネタになり歌舞伎では五代目菊五郎の『綴合於伝仮名書』
小説では海音寺潮五郎『悪人列伝 近代篇』 戸川昌子「高橋お伝の石」『悪女の真実』等があり。レコードにもなっている。

明治14年、お伝三回忌のおりに仮名垣魯文の世話で、谷中霊園にもお伝の墓が建立された。歌舞伎役者や噺家らがお伝の芝居を打って当たったのでその礼として寄付し建立した。お墓参りをすると三味線が上手になるという・・・浪曲では“葵わか葉師匠”のネタで、現在はる乃も継承している。貞女として描かれ、人間讃歌がテーマである浪曲の面目躍如といったところ。実際は浪曲台本が史実に近い様である。

 はる乃木馬亭ネタおろしの一席、御覧ください。

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